岡本かの子さんの「鮨」🍣
以前記事に、毎日読書したいと言って、たくさんの方からコメントをいただいたので、
これば絶対、読書習慣をつけたいなと思って、電車の中で読むようになりました📕🚃
今回は、
id:kakkoshin117さんに紹介していただいた、
岡本かの子さんの「鮨」を読み終えたので、思ったことをつらつら書こうと思います😊
その前に岡本かの子さんについて簡単に。
1889年東京生まれ
大正、昭和期の小説家、歌人、仏教研究家
岡本一平と結婚したのち、
有名な芸術家である「岡本太郎」を出産。
享年49歳
「鮨」
舞台は、東京の下町と山の手の間にある、「福ずし」という鮨屋さん。
ストーリーの前半の内容は、福ずしの看板娘である「ともよ」が中心となって描かれている。
後半は、福ずしに集う客のうちの1人であり、ともよが1番気になっている男性客でもある「湊」が中心となって描かれている。
このお話で私が気に入ったところは
後半、「ともよ」が湊に「あなた、本当に、お鮨お好きなの」と尋ね、湊はさほど食べたくない時でも鮨を食べることが僕の慰めになると言い、その意味するところを語り始めるシーン。
彼は子供の頃、食事を苦痛に感じていた。
体内へ、色、香、味のある塊を入れると、身が汚れると思っていた。
腹は減るが死んでも構わないとさえ思っていたが、母に辛い思いをさせたくなく、頑張って食べたが全部吐いてしまう。
母親以外の女の手が触れたと思う途端に、胃袋が不意に逆に絞りあげられた。
ここまで、食事が嫌いという子供も珍しいなと思った。😨
私は食べることが大好きだから、気持ちがわからない、、、
そしてここからが私の最高に好きなシーン
湊の母親が、湊に食事を少しでも好きになってもらおうとして、縁側で鮨を握ったのだ。
ここからの表現がすごく良い。
まず母親は、玉子焼鮨を握って湊に食べさせた。
すると湊の心情はこう書かれている
はだかの肌をするする撫でられるようなころ合いの酸味に、飯と、玉子のあまみがほろほろに交ったあじわいがちょうど舌一ぱいに乗った具合ーー
それを1つ食べてしまうと体を母に拠りつけたいほど、おいしさと、親しさが、ぬくめた香湯のように子どもの身うちに湧いた
このシーンは、すごく胸があったかくなった!!こんな幸せを感じる表現はなかなか無いと思う🥺
この玉子焼鮨には美味しいだけではなくて、湊に対する母親の愛情が込められていて、それが湊にしっかり伝わった瞬間だったんだと思った。
母親の手のひらのことを「薔薇色の掌」と記されていたり、(白いご飯との対比的な感じかな?)
素人の母親の握る鮨の形が歪なことに対して、
「かえって愛感を覚え、自分で形を調えて食べると余計美味しい気がした」
表現が良すぎ、、、
イカを食べた時の描写なんか、、こう書いてある↓
白く透き通る切片は、咀嚼のために、上品な旨味につきくずされ、
ほどよい滋味の圧感に混って、子供の細い喉へと通って行った
なんか読んでるだけなのに、まるで自分の喉にも鮨が通ってるような感覚に陥った…
凄すぎる描写たち、、、😳
その後、湊は魚の鮨も食べられるようになり、痩せ細って不健康そうに見えていた湊は、やがて中学へ入る頃は見違えるほど美しくたくましい少年になったのである。
もうね、、読んでるだけでお腹いっぱいになるし、綺麗な描写にうっとりして読み終えました🤤🥺
30分程度で読み終える短編なので、皆さんもぜひ読んでみてください!
わたしはこれからもう一度丁寧に読み返すつもりです😌📕🍣
最後まで読んで頂きありがとうございました😊